味・風味・食感・香りなどに違いあり！料理に合わせた削り節の選び方を解説

主に、鰹を燻（いぶ）して乾燥させた鰹節を削った「削り節」にはさまざまな削り方があり、削り方によって食感も変わり、それを使用する料理も味わいが微妙に変わってきます。今回は削り節の種類により、味・風味・食感・香りなど、どのような違いがあるか、また、料理に合わせた削り節の選び方についても解説します。

鰹節は削り方で味・風味・食感・香りが変わる

それぞれの削り節の味・風味・食感・香りなどを解説

鰹節を削った削り節は、削り方でだしの出方や味や風味などが微妙に異なってきます。それぞれの特徴を活かして、料理に利用することが可能です。

薄削り

鰹節の薄削りは、農林水産省の定める日本農林規格（JAS法）によると、0.2mm以下の薄さです。しかし、0.03mm～0.1mmの薄さに削られることもあります。一般的には花かつおとよばれることも多く、スーパーマーケットの店頭でよく見かけるタイプです。

薄さが特徴だけに、だしを取るには短時間で足りるため、朝など多忙な方に向いています。味噌汁のだしや、おひたしに煮物などの家庭料理に適しています。

厚削り

鰹節の厚削りは、0.5mm～1mm前後の厚さに削られたものです。主にだし取り専用の削り節で、時間をかけながらだしを取ることで、比較的濃い味が抽出される特徴もあります。

弱火で30分は煮出して、濃いだしを取ります。東日本の蕎麦屋さんがよく使っている削り節です。厚削りは、うどん・そば・煮物でだしの味を強力に活かしたいときにおすすめです。

血合い抜き削り

魚の背と腹の間に存在する赤色線維筋の「血合い」の部分を取り除いて、削られたものを「血合い抜き削り」といいます。血合いは鰹やマグロ、鯖などの赤身の魚に多くみられます。血合いを除いてから削ると、魚の生臭さが抑えられるのです。

そのため口当たりのよい、上品な風味のだしになります。高級料亭や旅館、日本料理店などでよく使われます。お吸い物や茶碗蒸しなど、だしの味が活かされる料理に適している削り節といえるのです。

糸削り

まさに、糸のように細く削った糸削りは、見た目も美しく、料理の盛り付け用やトッピングとしてよく使われます。とくに、日本料理の上に香りのよい食材を少量のせる「天盛り（てんもり）」として、糸削りが使用されるのです。「天盛り」は、季節感を演出したり、料理の味わい・色彩・香りを引き立てたりする効果があります。

鰹節の粉末

最近は鰹節が粉末状に削られているものもあります。比較的価格が安価なだけに、家庭で手軽にさまざま料理に活用できるのです。味噌汁やうどんやそばのだしとして使えるだけでなく、お好み焼きや焼きそばのトッピングにもできます。

さらに、冷や奴にかけたり、おにぎりの具材にしたりすることもできます。鰹節の粉末はだしから料理のアクセントまで、幅広く活用できるのです。また粉末は意外と取り扱いが簡単です。

料理に合わせる薄削りと厚削りの選び方

薄削りが活かされる料理

0.2mm以下の薄さに削られた「薄削り」は、だし取りやトッピングなど、使い勝手がよい製品です。短時間でだしがよく出ます。全体的に柔らかな食感で、澄んだ色で香りがよいだしも取れます。

味噌汁・吸い物・スープなどの汁物料理に向いているのです。また、だし取りだけでなく、お好み焼きや焼きそばなどのトッピングにも使えます。

厚削りが活きる料理

0.5mmを超える厚さに削られた削り節が「厚削り」です。厚みがあるだけにじっくり煮出して、濃厚でコクのあるだしが取れます。煮物やそばにうどんなどの麺類のつゆ、鍋物やおでんなどに使えるのです。

業務用の厚削りは1mmを超えるものまであり、30分～40分以上も煮て、だしを取ることもあります。それだけに鰹節の風味が強く感じられ、コクがある濃厚なだしになるのです。

まとめ